船場のまちなみ修景第3弾!

 船場のまちなみ修景第3弾として、
コニシ株式会社 駐車場ゲート」の修景工事が完成しました!


堺筋と道修町の交差点北東角にある旧小西家住宅は、
国の重要文化財として登録されている船場地域でも特に貴重な建築物です。
コニシボンドケミカル商事の社屋でもあるこの建物の横に
社用車ためのプレハブ駐車場があります。
ここにはかつて別の木造建物が建っていましたが、
阪神淡路大震災の折りに倒壊し駐車場となっていたのです。

 まち歩きのスポットにもなっている旧小西家住宅の横に
プレハブの駐車場では・・・ということもあり、
船場HOPEゾーン事業でまちなみに配慮した修景事業として、
新たに駐車場ゲートを作ることになりました。

この修景計画のポイントは
「なかったものを新たに作る」というところです。
設計は「歴史をつなぐ」「耐久性と機能」「まちへの発信」
3つをコンセプトに進めました。
伝統的な木造建築の母屋は道修町のシンボルであると共に、
周りの建物とは大きな時代の差があります。
どんどんと新しくなっていくまちなみの中で、
歴史ある重要文化財の母屋と、もともとはなかった駐車場のゲートを
どう関係させるかを考え「伝統デザイン×現代素材」で
時代をつなぐものとしました。

また、「修景×実用性」という課題として、
有効高さ3.1m、最高高さ3.8m、大型トラックが通るための巨大ゲートは、
安全や耐久性はもちろんのこと、常時円滑に開閉し、
通行するための機能も必要でした。



巨大ゲートを支える為柱や梁は鉄骨造とし、
壁や格子部分は土佐漆喰や杉を使用。
腰板には「かい折れ釘」を使うなど、
細部はなるべく本物の素材を使用しました。
鋼板葺き屋根の棟も母屋とのバランスを見て
数種の試作から選びました。





また、「船場後退線」の境界フェンスを撤去し、
路面アスファルトを石敷きに変えることで
隣地とのつながりにも配慮しました。



工事中から地域で働く人やまち歩きでこられ方の関心は高く、
まちに対する影響をひしひしと感じさせられましたが、
着々と工事は進み、2010年1月15日に無事、
「コニシ株式会社駐車場ゲート」が完成しました。
まちなみを考え、構えを意識したいと言うオーナーさんの思いが形になり、
「これからの道修町」につながる
新しい試みとなったのではと思います。
地域で働く人や訪れる人のまちなみに対する意識が高まり
船場のまちがもっと魅力的になっていくことに
期待したいと思います。



駐車場ゲート(旧小西家住宅東側)
修景設計:建築設計室Morizo-
修景工事:株式会社 山本博工務店
完成年:2010(平成22)年

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旧小西家住宅(国重要文化財)
所在地:大阪市中央区道修町一丁目6番10号
建物所有者:コニシ株式会社(代表取締役 大丸智夫)
建築年:1903(明治36)年
構造・規模:木造2階建
設計:不詳

船場のまちなみ修景第1弾!
〜生駒ビルヂング編〜

船場のまちなみ修景第1弾として、
生駒ビルヂング」の時計塔&出窓部分が修景されました!

平野町2丁目、堺筋沿いの北浜と堺筋本町のちょうど真ん中あたりに、
大きな時計塔が目印の「生駒ビルヂング」があります。
大阪一の繁華街として栄えた大大阪時代から、
第2次世界大戦の戦災、その後の復興期・・・と、移り変わる時代の中、
変わらぬ姿で船場のまちに時を知らせてきました。

スクラッチタイルや、テラコッタ装飾が特徴的な生駒ビルヂング
生駒ビルヂング 時計 修景

屋上に上がらせていただいて、間近で時計を見てみると・・・
その大きさにビックリ!
文字盤は直径2.5m、針の長さは1mほどもあるそうです。

昭和5年の竣工当時は、イギリス製の機械式時計が使われ、
ウインチで巻き上げる大きな錘と振り子の機械で、3面ある時計を駆動していました。
文字盤には数字が、針には照明が仕込まれており、
夜でも遠くから時間を確認することができたそうです。

機械式時計時代の時計塔(写真は昭和6年)
生駒ビルヂング 時計 修景

その後、昭和40年代から徐々にメンテナンスが難しくなり、
とうとう、昭和の終わりに2代目の電気時計に入れ替えられることになりました。
新しい電気時計は機械式に比べ駆動力が弱く、
照明付の針は重くて動かせなくなったので、
同時に針も光らないものに交換されてしましまいました。

ところで・・・
一番上の生駒ビルヂングの写真を、もう一度良く見てください。
左上の時計塔から下に細長い出窓が伸び、さらに丸窓が続いていますね。
そうなんです!
このビルは建物全体として
巨大な『振り子時計』をイメージして設計されたものだったのです!

そして、生駒ビルヂング/生駒時計店社長の生駒伸夫氏の
また、昔のように針を光らせたい・・・
振り子のデザインをまちの資源として活かせないだろうか・・・
という ‘建物’と‘まち’を愛する気持ちから生まれたアイデアを実現するため、
大阪市HOPEゾーン事業による修景整備が行われることになりました。

ビルは交通量の多い大通りに面しているため、
作業は夜中、ひっそりと進んでいきました・・・
生駒ビルヂング 時計 修景

さて、工事は進み、11月末、工事完成に向けて試験点灯が行われました。
生駒ビルヂング 時計 修景

文字盤には数字が、そして光る針ではっきり時間も確認できます。
竣工当時はもちろん普通の電飾だったのですが、
今回はLED電球を用いることで軽量化をはかり、
‘光る針’を再現することができました。
しかも省エネ&長寿命!

振り子を模した出窓部分にも同様に、LED電球が仕込まれました。
生駒ビルヂング 時計 修景

しかし、この出窓は写真のようにただ光っているだけではありません!
まるで振り子が揺れているかのように見えるよう、照明がプログラムされているのです。

また今回新たに、4時間ごと8:0012:0016:0020:00)に、
鐘を8回鳴らす八点鐘(はってんしょう)」という仕掛けも加わることになりました。
八点鐘」というのは、船上で時を知らせるためのシップベルの鳴らし方ですが、
生駒さんはこの鐘を「大大阪八点鐘」と名づけ、
(好きな)大阪(もう一度みんなの力で)発展しよう
という想いを込めて鳴らし続けたい、とおっしゃっていました。

竣工当時の姿を取り戻し、さらに船場の‘いま’にあった仕掛けが加わった生駒ビルヂング。
この楽しい夜間演出に、思わず指をさし、「おおっ」と声をあげてしまうかも。
天神祭や大晦日にはヒミツの仕掛けが用意されているとか・・・これも必見です!

11月21日(土)に芝川ビルで行われた修景完成お披露目会において、
生駒さんの修景工事説明の中で、非常に印象深く、強く心に残った言葉がありました。
生駒さんのご了解を得て、ここに載せさせていただきます。
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 世間が、そして国も自治体も非常に厳しい財政状態にあるいま、
 このような民間のビルに助成金の交付を、
 それも決して小さくないご支援を頂戴する、ということは、
 単に一私企業が公の支援を受けた、ということでないと強く感じております。
 本来は、民間の会社として、
 自力で立派に維持管理をしてこそ誇れることだと思いますが、
 その一方で、今回、助成を戴いたことを恥ずかしいことだとも思っておりません。
 私どものビルは、大阪の街の歴史的景観の一部を構成する公の財産として、
 皆さんと共に守っていかねばならない財産である、という認識であります。


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生駒ビルヂング(旧称 生駒時計店)
所在地:大阪市中央区平野町2−2−12
  建物所有者:株式会社 生駒ビルヂング(代表取締役 生駒伸夫)
  建築年:1930(昭和5)年、改修2002(平成14)年
  構造・規模:鉄筋コンクリート造5階建 地下1階
  設計:宗建築事務所、改修:Y’S建築設計室
  国登録有形文化財

※掲載写真等は生駒ビルヂングさんよりご提供いただいたものです。
ありがとうございました。

船場のまちなみ修景第1弾!
〜芝川ビル編〜

船場のまちなみ修景第1弾として、
芝川ビル」の建物正面レリーフが修景されました!

伏見町3丁目、御堂筋から伏見町通を東に入ったところに、
独特の存在感を放つ近代建築「芝川ビル」があります。
このところ、ベトナム料理店やチョコレートショップ、
喫茶店、パブなど素敵なお店の出店が相次いでいる、話題のあのビルです。

昭和2年、まだ周囲には木造家屋が建ち並ぶ中、
当主・芝川又四郎氏の「地震や家事に強い建物を」という強い想いを受け、
鉄筋コンクリート造の芝川ビルが誕生します。
その後長い年月の間に、空襲や酸性雨などの被害を受け、正面入口の上部にある、
ビルの‘顔’とも言える3つの大きなレリーフの劣化が、
かなり進んでしまっていました。

マヤ・インカ文明を思わせる特徴的な装飾が施された芝川ビル(修景前)
芝川ビル 修景 工事

建物竣工時のレリーフ(昭和2年)
芝川ビル レリーフ 修景 工事

80年の時の流れは恐るべし。
このビルの‘顔’を取り戻すべく、大阪市HOPEゾーン事業による
レリーフの修景工事が9月下旬にスタートしました。
工事中、ビルを囲う白い塀を見て
「芝川ビルに何が!?」と心配された方もいらっしゃるかもしれませんね。
芝川ビルさんのご協力により、入口の左側のとても目立つところに、
「まちなみ修景工事」の看板を掲示していただきました。

芝川ビル 修景 工事 看板

それから2ヶ月、11月21日(土)の夕暮れ時。
平松邦夫市長や我らが協議会の大橋会長も出席し、
除幕式・お披露目会が開催されました。
白い幕が落とされると・・・
夕闇の中、くっきりとライトに照らされ、新レリーフの姿が!!

除幕された方々で新レリーフと記念撮影
芝川ビル 修景 工事

皆さんは生まれ変わった新しいビルの姿を、もうご覧になりましたか?
「いつもチョコレートに夢中で、レリーフなんて見たことが無かった。」
「喫茶店にはよく行くから、工事をしていたのは知っていたけど・・・」
というあなた!
今度は是非、一度入口で立ち止まって、まじまじと上を見上げてみてください。
大大阪時代の船場商人の心意気と、それを受け継ぎ守ってきたオーナーの建物への愛、
そして今回の修景工事に関わったたくさんの方々の熱意を、
必ずや感じることができます。

修景工事の様子は、芝川ビルさんの公式サイトのブログ「建物語」で、
詳しく・楽しくご報告されています。是非、一度ご覧下さい!
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芝川ビル 概要
所在地:中央区伏見町3-3-3
建物所有者:百又株式会社(代表取締役 芝川 能一)
建築年:1927(昭和2)年
構造・規模:鉄筋コンクリート造4階建 地下1階
設計:(基本設計・構造設計)澁谷五郎、(意匠設計)本間乙彦
国登録有形文化財

※掲載写真等の一部は芝川ビルさんよりご提供いただいたものです。
ありがとうございました。

制度の実施にあたって
〜より効果的な制度の活用をめざして〜

「市の予算は年度ごとに限りがあるから、補助は早いもの勝ち?」

「それは良くない。個々の事情はあるかもしれないけれど、
 船場のまちなみにとって、より効果があるもの、
 インパクトがあるもの、
 必要性が高いものから順にやっていくようにしないと。」

市の『まちなみ修景補助制度』を実施するにあたり、
建物オーナーをはじめ、様々な方々からご意見を伺っていく中で、しばしばこのような声をお聞きしました。
協議会としても、まったく同じ想いです。

そこで、この制度が不公平感なく、より効果的に活用されるよう、

○まちなみ修景補助制度の積極的なPR
○修景補助対象物件の調整(修景内容や順番など)のため、
・建物等の所有者のみなさんとの情報交換会の実施
・協議・推薦等システムの活用

などを進めていきたいと考えています。

みなさまのご理解・ご協力をよろしくお願いします!
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まちなみ修景補助制度についてのお問合せは・・・
大阪市都市整備局 まちづくり事業企画担当
Tel 06-6208-9222
大阪市北区中之島1-3-20 大阪市役所6階

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「大阪市まちなみ修景補助制度」とは?

「大阪市まちなみ修景補助制度」というものをご存知でしょうか?

まちなみ修景補助制度』とは、
大阪市の『HOPEゾーン事業』のメニューのひとつで、
地域で定めるまちなみづくりのルールに沿った形で建物等を修景※する場合、
その工事費の一部について、大阪市からの補助を受けることができる、
というものです。

※「修景(しゅうけい)」とは、
船場にふさわしいまちなみ形成に向け、建物の外観等を整備することをいいます。

船場地区では、『船場のまちなみ作法』で提案するまちなみづくりのテーマ、
近世、近代の佇まいが光る 花なりしたまちなみづくり
〜上質な船場の‘いま’を愉しむために〜
  の趣旨に沿って、
①近代建築等の再生・活用に関する修景整備
②通・筋、エリアの個性を活かした
オープンスペースや建物の修景整備 に取り組まれる際に、
この『まちなみ修景補助制度』を利用することができます。
_______________________________________

制度の概要は次のとおりです。

【補助対象】
①近代建築/文化財の建物/船場のまちなみに重要なものとして
 協議会から推薦するもの
②通や筋、エリアごとの『船場のまちなみ作法』が定められているところの、
 オープンスペースや建物

【補助の限度額】
補助金の額は、修景整備に必要となる
「設計費+工事費」の3分の2以内の額、かつ、
①の場合800万円以下、
②の場合200万円以下(いずれも1敷地あたり)

【その他】
・建物外観全体のフォルムの維持・保全や
 外観イメージを損なうような要素の改善・撤去等の基本的な要件を満たすこと
・『船場のまちなみ作法』に沿った修景であること
_______________________________________

協議会では、修景物件のオーナーのご協力を得ながら、
完成当時のお写真や丹念に造り込まれた建物内側の様子、
それらを再現する最新の技術など、
普段はなかなか見ることができない修景工事の様子をお伝えしていく予定です。
船場のまちなみが、より魅力的なものへと
少しずつ変わっていく様子を感じていただければと思います。

また、修景工事や協議会の活動などをPRするため、
このような標示板を修景工事中の物件に掲示していただいています。
この看板をまちの中で見かけたら・・・是非ご注目を!!

HOPEゾーン船場看板

まちなみ修景補助制度についてのお問合せは・・・
大阪市都市整備局 まちづくり事業企画担当
Tel 06-6208-9222
大阪市北区中之島1-3-20 大阪市役所6階

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